【中世文学、和歌文学】
中世文学
新古今時代(1156年〜1241年)は、保元の乱、平治の乱、治承・寿永の乱、承久の変、と武士の勃興と交替とを繰り返した内乱期であった。その中で成立した中世文学を前期と後期とに分けるならば、新古今時代は、中世前期に属し、その前期に属する文学作品を取り上げて考えている。例えば、「保元物語」、「平治物語」、「平家物語」は、その一例である。それらの文学作品を読み解くにあたっては、当時の史料・資料を、例えば、「玉葉」(九条兼実の漢文日記)、「明月記」(藤原定家の漢文日記)、「吾妻鏡」(鎌倉幕府の編纂した漢文体
)の史料・資料等をあわせて読みながら、文学作品の内容を考えている。
和歌文学
和歌文学は長い歴史を持っている。私は主として勅撰集二十一代集のうち、古今和歌集、後撰和歌集、拾遺和歌集、後拾遺和歌集、金葉和歌集、詞花和歌集、千載和歌集、新古今和歌集の八代集を中心にして考えている。また一方では、新古今時代の歌人たちの和歌
をも考えている。特に藤原俊成の「長秋詠藻」、西行の「山家集」、慈円の「拾玉集」、藤原家隆の「壬二集」、藤原定家の「拾遺愚草」、藤原良経の「秋篠月清集」には深い関心を持って、考えを深めている。
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書名:「愚管抄」(岩波書店 日本古典文学大系 86)
著者:慈円
出版社:岩波書店
1221年(承久の変)の前の年までに書き上げた、とされているものである。最初著者が不明、とされていたが、種々研究の結果、著者は慈円、となった作品である。巻数は七巻。日本の歴史を上代から書き始めて、著者の生きていた当時の現代までを、「道理」というものを考えにいれながら説いている、大変ユニークで、すばらしい本である。 |