【ハドロンの物理、数理モデルの厳密解】
ハドロンとは一群の素粒子を表す言葉で、原子核を構成する陽子や中性子、湯川秀樹博士のノーベル賞受賞理由となったパイ中間子がその仲間です。ハドロンはクォークとその反粒子である反クォークからできていて、陽子や中性子のようにクォーク3個からできているバリオン、クォークと反クォーク1個ずつからできている中間子だけが知られていました。一方、クォークの世界を支配する法則(量子色力学)によれば、クォークの数から反クォークの数を引いたものが3の倍数になること以外にはハドロンに含まれるクォークの個数に制限はないので、バリオンでも中間子でもないハドロンが存在してもいいのではと考えられてきました。
2002年のこと、クォーク4個と反クォーク1個からできているペンタクォークという種類の粒子を発見したという報告がありました。この発見自体は、その後高い感度をもつ装置で探したがみつからなかったという報告もあり、本当に存在するのかどうか未だに決着がついていません。しかし、この発見を契機に、バリオンや中間子以外のハドロン(多クォーク状態)の研究が進み、テトラクォーク(クォーク2個と反クォーク2個でできた粒子)に分類される数種類の粒子の発見報告が相次ぎ、確認作業が続いています。
クォーク6個からできた粒子をダイバリオンといいます。私はダイバリオンの中でも特に存在する可能性が高いといわれてきたHダイバリオンを研究テーマとしてきました。Hダイバリオンが見つかったという報告はまだありませんが、いつかハドロンの新しい仲間になる日が来るのかも知れませんね。
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書名:エレガントな宇宙
著者:ブライアン・グリーン
出版社:草思社
我々が住んでいる世界はたて・横・高さの3次元プラス時間の1次元で4次元というのが常識でした。しかし、物理学の最先端理論である「超ひも理論」によれば、この世界は9次元の空間プラス1次元の時間の10次元だというのです。(超ひも理論をさらに発展させたM理論では空間が10次元になり合計11次元。)それでは、なぜ我々には空間が3次元にしか見えないのでしょうか。ここでストローを考えてみましょう。ストローの表面は2次元の面になっています。このストローを細長く伸ばして遠くから見ると一本の線のように見えます。つまり1次元です。これはストローが一方向には延びているのに一方向には丸まっているためにそう見えるのです。ストローと同じように空間の余分な6次元は非常に小さく丸まっているために見えないというのが超ひも理論の時空です。
ところが、この丸まった次元の存在を実験で実証した人はまだ誰もいません。それなのになぜ物理学者は超ひも理論を信じているのでしょうか。それは、この理論が美しくエレガントだからです。「正しい理論は美しいはずである」というのが物理学者の信念です。この摩訶不思議にしてエレガントな理論が作られていくドラマを超ひも理論の第一線の研究者が描いたのがこの一冊です。 |