【W. H. ハドソン研究】
アルゼンチンに生まれ、イギリスに帰化したハドソンという作家は、生前25巻からなる作品を著した。そのほとんどの作品に、必ずといっていいほど、動物や植物が登場する。そのなかでも特に野鳥が多く、ハドソンといえば野鳥の作家という印象が強い。
ずっと前から、作品に登場する野鳥を実際見てみたいと思い、数年前にハドソンの生国であるアルゼンチンへ行って、野鳥を観察し、調査してみたことがある。スズメは日本のスズメとそっくりである。日本の伝書バトやキジバトによく似たハトも見られる。しかし、カッコウは日本のカッコウとは色や形が異なり、鳴き声に至っては一度も聞いたことがない。環境が変われば鳴き声や形態も変わるのである。むしろ日本の野鳥と異なる種が多く見られるほどである。それに、日本の野鳥よりもずっと人なつこい野鳥が多い気がする。
調査では、ハドソンが観察できた1868年頃の野鳥を、現在どのくらい観察できるかを中心に調べたのであるが、その結果、76.2%観察できたのである。今後も作品に登場する野鳥の調査を現地で続ける予定である。
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書名:鳥たちの旅 ―渡り鳥の衛星追跡―
著者:樋口広芳
出版社:日本放送出版教会
この本は海外から日本に渡ってきたり、逆に日本から海外に渡って行ったりする「渡り鳥」について書いたものである。鳥はなぜ渡るのか、どこへどのようなルートで渡るのかを人工衛星を利用して追跡する話しである。
この本によれば、コハクチョウのあるものはクッチャロ湖から1990年4月26日に飛び立ち、その日のうちにサハリンの南部に到達した。そこで4日ほど過ごし、5月1日にはサハリンの北部に到達。ここに5月9日頃まで滞在した。5月16日には大陸東岸のオロツカン付近(北緯61.8度、
東経152.3度)に移動した。翌17日、ついに北極圏コリマ川の河口付近、(北緯68.6度、東経161.3度)の繁殖分布域に到達するのである。クッチャロ湖を飛び立ち、3週間後のことであった。翌18日、やや北東部(北緯69.6度、東経160.8度)に移り、その周辺で22日ころまで過ごしている。その後の位置は電池の寿命が尽きたためか、つきとめられなかったという話になっている。
このほかにも、何種類かの大型の渡り鳥のルートが、送信機を取り付けることで、解明されている。
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