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日本古典文学

学ぶ内容

 日本語・日本文学科では、日本の古典文学に関する科目が様々に用意されています。
 これにより、受講生はいろいろな角度から古典文学を探求できるようになっています。
 具体的には、古典文学を時代ごとに学べるように、古代文学、中古文学、中世文学、近世文学に分けて科目が設けられています。各時代の代表的な文学作品を通して、その時代の文学の特徴が学べるようになっています。例えば、古代文学では『古事記』、中古文学では『大和物語』等を学ぶ講義科目が設置されています。作品の内容に沿って、時代背景を考慮しながらわかりやすく読み進めていきます。また、受講生自らが主体的に学ぶために、発表や討論を中心とする演習科目が併せて設けられています。
 また、通時的にも学べるように、「日本文学概論A・B」や「日本古典文学史」といった講義科目が設けられています。日本の古典文学がいかに展開していったか、各時代の代表的な作品を取り上げながら解説していきます。

古典文学への誘い

 古典を読む楽しみとはなんでしょうか。
 登場人物の魅力、作品の背景への興味、表現の面白さ等、いろいろ挙げられるでしょう。その一つとして、作品に登場する人物の心に触れられる点を挙げてみたいと思います。
 「古代文学」では、『大和物語』を読み進めています。有名な「蘆刈」の段は読まれた方も多いのではないでしょうか。移りゆく世において、心を通わせていながら違う人生を歩まざるを得ない男女の儚さを主題にした話です。
 前半だけご紹介しますと、難破の男女が結婚して幸福に暮らすうちに没落してしまいます。賤しい身分の者ではなかったので人に雇われることもなくていたとあります。そして、互いを思いやって別れを選び、暮らしが良くなったら訪ねあう約束をします。女は都で宮仕えをしますが、女は男のことを思いやったという内容です。
 この話で興味が持たれるのは、男女の心に焦点が当てられて物語が展開している点です。本文では「いとあはれ」という心情表現を何度も繰り返して、女が男をひたすら思いやる様を表そうとします。一方、男はというと、後半に見られる二人が再会した際の歌で「憂し」という心情表現を用いて、自らを内省する様が示されます。要は、二人の思いの方向が違っていて、そのずれがこの話の要ではないかと思われるのです。
 「ひたすら男を思いやる女」と「内省する男」という登場人物について、皆さんはどのように思われるでしょうか。今の男女に通じるものを感じるのは、私だけではないでしょう。
 このように一千年前の作品を読んで登場人物の心に触れたとき、様々な感慨が湧き上がってきます。いにしえの作品から、男女の在り方について改めて考えてみるのはいかがでしょうか。

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