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日本語学

日本語学とは

 日本語学とは、世界の3000 ~ 7000種類あると言われている「言語」を研究対象とする学問である「言語学」のうち、特に日本語をターゲットとして研究する分野を指します。
 世界の言語はその昔、いくつかの祖となる言語から分かれて作られてきたと考えられていますが、日本語はそういった言語間の親戚関係が不明な言語です。
 日本語学は、言語としての日本語の「音声・音韻」、「語彙」、「文法」といった特徴を明らかにするとともに、日本の歴史を扱う「日本語史」、地理的分布を扱う「方言学」等の分野があります。そして、時代的には古典語と近代語(現代語を含む)と大きく日本語を区分して扱うことが一般的です。
 この他の周辺領域として、日本語を外国語として修得する人々のための「日本語教育」や、日本語を母語として学ぶ「国語教育」とも近い関係にあります。

日本語学の魅力と学ぶことの意義

 ことばは、私たち人間のコミュニケーション手段として、なくてはならないものです。
 そして、私たちのように日本語を母語としている者の言語社会は、日本語でコミュニケーションをしているだけでなく、物事の認識の仕方や思考、あるいは、創造までも日本語でしています。私たちは知らず知らずのうちに日本語の持つ枠組みを使って生活しています。
 例えば、日本語では虹の色は「七色」ですが、2色あるいは3色という言語もあります。また、日本語で「きょうだい」というのは、男兄弟も女姉妹も両方表現できますが、英語では両方一遍に表せません。あまりにも身近にあるため、それ以外の枠組みについて考えたこともないと思いますが、実際に私たちは日本語の枠組みの中で生活しています。

古典語の研究のおもしろさとは何か?

 人が産み出したものには全て歴史があります。現在の姿はそれまでの生い立ち、積み重ねてきた紆余曲折の生き方の結果として顕れている形です。まさに人の姿と同じです。その人のことをもっと知りたいと思った時、その人の生まれ、育った環境、経歴などを知ることによって、より納得することが出来ます。現在の根拠は過去にあります。
 古典語の研究、すなわち言語の歴史的研究とは、まさにそのような人間の生き様の研究と全く同様の追求をする中で、思わぬ発見の驚きや過去の人の心情に共感して、胸を震わせる経験をすることです。
 たとえば、「現在の“カナシイ”という和語は、1000年前には“カワイイ”、“イトオシイ”だった」ということを知ったとき、どうして真逆に近い意味に変わってしまったのかを追求したいと思うでしょう。
 また、つい150年前に出来た「銀行」という漢語。皆さんは「なぜ「銀行」なのか?どうして「金行」ではないの?」と思いませんか。
 実は「銀行」という漢語は「元々、近世中国にいた宣教師の著作から幕末期に借用した語なのである」という事実を知って、驚きます。
 古代から幕末・明治までの日本語は、不思議で豊壌な世界です。いま使っていることばも20年後、30年後には変わっていきますが、その変化は人の成長、進化のようです。社会の動きに適応しながら活きていく姿を探る興奮を味わってみませんか。

現代語の研究のおもしろさとは何か?

 現代語はまさに今、実際に使われていることばを研究の対象にしています。新語や流行語、若者言葉など、本を調べても、人に効いても、ネットで検索しても、そのものずばりの答えはすぐには見つからないこともよくあります。なぜなら、その問題に気付いた人はあなたが最初かもしれないからです。もちろん、それまでに非常に近い研究成果が発表されているかもしれませんから、そこは入念にチェックが必要です。
 100年後の日本語も、今、私たちが話していることばから生まれていくのです。どのように変化していくのでしょうか?それを学問として考えます。
 また、日本語の地域差(方言)は言語と言語の違いと言ってよいほど、大きなものとして有名ですが、それを実際にフィールドワークして確めることも出来ます。本学の特徴として、東日本大震災以降、学問の力で地域と繋がり、貢献する取り組みを行っています。地域を深く理解し、地域のことばである方言の調査・研究を通して、国語教育や生涯学習という視点から方言の保存と継承について学んでいます。

こんなあなたにお奨め

 身近すぎて、当然すぎて何も問題がないかに見えるモノ・コトであっても、その裏には何かあるのではないか、それを探りたいと思うあなたに日本語の世界は知的興奮と感動を与えてくれます。

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