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佐藤 和博(学科長)

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教員氏名  佐藤 和博(サトウ カズヒロ) 職名   教授(学科長)
略歴 【学歴】
 慶應義塾大学法学部法律学科卒業、
 立教大学大学院文学研究科英米文学専攻博士前期課程修了、
 同博士後期課程満期退学

【職歴】
 弘前学院大学文学部英米文学科講師、同助教授、同教授
学位  修士(文学)
担当する科目  英文法の基礎、英米文学概論AB、アメリカ文学史AB、欧米文化概論A、
 欧米文化演習ⅠAB・ⅡAB、文学の基礎、卒業論文
専門分野  アメリカ文学
主な業績 【著書】
『ポケット世界名作事典』(共著、平凡社、1981)
「ライ麦畑でつかまえて」の項目を執筆

【論文】
「Alexander`s Bridgeの主人公のモデルについて」
(単著、『比較文化研究』第93号、2010)

 その他、ウイラ・キャザーやエドガー・アラン・ポー等に関する研究多数
その他
(学会社会活動、講演、受賞等)
 日本英文学会、日本比較文化学会副会長(理事、東北支部長)、
 日本ソロー学会、陸奥新報「時事随想」担当(2007~2010)

研究テーマ

主としてアメリカの小説の研究

 数年前、1年生向けの教養講話という授業で、アメリカの野球の話をしました。3学部合わせて200人を越える聴衆。女子の多くは野球などルールさえ知らないのかも、と心配したのですが、講話の後で提出してもらった感想文には案外、高校でソフトボール部だった、という学生もいて、興味を持って話を聴いてくれたようで、やれやれです。
 「アメリカの精神を知りたければ野球を学ぶと良い」と言われます。アメリカらしさは、何かしら特殊なものにこそ色濃くあらわれるに違いない。ならば、当然、小説などの文学作品にも。そういう思いで、作品を読んでいます。
 個人的には、最近はウイラ・キャザー(1873-1947)というアメリカの女流作家の小説を読んでいます。『私のアントーニア』(1918)が代表作のひとつです。彼女の作品のいくつかを読むと不思議にも、いろいろなアイディアが浮かんで来ます。例えば、彼女の最初の小説『アレグザンダーの橋』とアメリカの鉄道との関係等。
 アメリカ人の精神を知ったからといって、アメリカ人になれるものではありません。しかし、それは日本人としての「自分」の姿を知るための役に立つ、と確信しています。


オススメの本

書名 雪あかり日記/せせらぎ日記 著者 谷口吉郎 出版社 中公文庫

 建築家 谷口吉郎による戦争前夜のベルリン滞在中の日記(雪あかり日記)。
 フランス、イタリア、スイス、そして、ノルウェーのベルゲン港までの旅の記録(せせらぎ日記)。
 ベルリンでの体験、ヨーロッパ各国の建築の観察等が興味深く記述されている。非常に読みやすく書かれており、文章を書くときはこういう風に書きたいものだと思わせる、お手本になるような一冊。建築家は建物を建てるときと同じように文章を書くのである。

書名 ニノ橋柳亭 著者 神吉拓郎 出版社 光文社文庫

 直木賞作家の短編集。「ブラックバス」を含めて全7編。どれを読んでもため息が出るほど素晴らしい。この文庫本の解説で色川武大は「室内楽的文学」と評している。
 冬の夜長に室内楽(レコードが良い)を低いボリュームで聴くのは至福の喜びであろうが、この短編集を読む歓びは確かにそれに似ている。

書名 古代朝鮮 著者 井上秀雄 出版社 講談社学術文庫

 旧石器時代から統一新羅の滅亡までの朝鮮の歴史を辿る。
 今秋、韓国出張の際に購入して、旅行中携えていた一冊。
 旅の途中で訪れた慶州の古墳群と国立博物館の展示物に圧倒されながら、お隣の国なのに知らないことばかりという思いを強くする。「近いのに遠くしている」のは私であったか。

書名 その他の外国語 エトセトラ 著者 黒田龍之介 出版社 国書刊行会

 メジャーでない「その他の外国語」(ロシア語、ウクライナ語、チェコ語など)の学習を巡るエッセイ集。「外国語学習で奇跡は起きない」、「外国語とはとても時間のかかるものである。この認識が一般に弱い」など、読みながら、そうそう、と頷いてしまう。この際、何かマイナーな外国語の勉強でも新たに始めてみようか、と思わせるような一冊。

書名 翻訳できない世界の言葉 著者 エラ・フランシス・サンダース 出版社 創元社

 この本を読み、大学で第2外国語としてドイツ語を学んだ時のことを思い出しました。その時の先生は深田甫先生。“Gemütlichkeit”(居心地の良さ)という言葉について話してくれたのを、今でも覚えています。この言葉は日本語に翻訳できるものではないと。何故なら、この「居心地の良さ」の背景には、音楽が流れているから。苦いコーヒーでも飲みながらソファーにゆったりと座り、しかも、どこかから静かに音楽が聞こえてくる時に味わうような居心地の良さ、なのだろうか、と想像したものです。
 日本語に翻訳できない、不思議な言葉の数々を扱った書物。

書名 神吉拓郎傑作選1
および傑作選2
著者 神吉拓郎 編者 大竹聡 出版社 国書刊行会

 直木賞作家、神吉 拓郎の短編集(傑作選1)およびエッセイ集(傑作選2)。
 東京の美味しいものというとよく言われるのは、鰻、天ぷら、そして鮨。神吉 拓郎の書いた作品にもそれらの御馳走が出てくるのはやはり、東京出身の作家であるからでしょうか?「鮨」という短編にコハダの新子の握りの話が出てきて、読むこちらの食欲が大いにかきたてられました。
 そういえば、池波正太郎もどこかでコハダの新子の握りのことを書いていました。東京ッ子の好みはコハダの新子?

書名 天才たちの日課 著者 メイソン・カリー 出版社 フィルムアート社

「クリエイティヴな人々の必ずしもクリエイティヴでない日々」という副題がついている。
 約160名にのぼる古今東西の天才的な人物達の日常的な習慣・・・例えば、何時に起きて、朝食は何を食べるか、そして、どのようにして「創作活動」に向かうのか、等・・・について、一人ひとり特徴的なエピソードを紹介している。バルザックの例に啞然。夜6時に夕食。その後、就寝。午前1時に起きて、7時間書く。朝8時に仮眠して、9時半から夕方4時まで書く。その間ブラックコーヒーを飲み続ける(1日50杯とも)。風呂。客との対応の一日。以後その繰り返し。

書名 読書礼讃 著者 アルベルト・マングエル 出版社 白水社

 「ピノッキオはいかにして読み方を学んだか」というエッセイを感心しながら読みました。
 そのなかのウラジミール・ナボコフのエピソード。ナボコフは生徒達にカフカの『変身』の読み方を教えながら、グレゴール・ザムザが変身した虫は外骨格の下に翅のある甲虫だと指摘する。グレゴールが気付きさえすれば、彼は自由になれたのだ。そしてナボコフは言う。「ごくふつうの子供たちもグレゴールのように育つ。自分に翅があり、飛べるということに気付かないまま」― 読書の意味についてのスリリングな考察。

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