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第三走者 基礎演習Ⅰ 1年生(石田ゼミ)

 石田ゼミの基礎演習Ⅰ(1年生)は、9月20日~21日に岩手県にある障害者施設「カナンの園」に研修旅行を企画・実施した。総勢9名の学生、教員等で実地研修を行ってきた。参加した学生のレポートや写真を紹介し、石田ゼミの紹介としたい。

社会福祉の理     19W018 佐藤亜祐
 今回カナンの園を訪れてみて、障害やその施設に関する考え方が大きく変わった。
 はじめに、障害について。私は今まで障害はその人の可能性を潰してしまうものだと思っていた。しかし、せんべいなどを製造・販売をしている「シャローム」でその考えは間違いだと気づいた。施設見学をさせていただいたとき、作業員の中に自閉症の方がいると説明を受けた。その人は会話がおぼつかないものの、仕事が丁寧で責任感があるそうだ。実際にその働きぶりを見させていただくと、確かに手際がよかった。このことから、可能性を潰しているのは障害そのものではなく、それを捉える人や環境なのだと思った。
 次に施設について。障害者向けの施設は、人目が少なく行動を規制するものが多いが、カナンの園はそのような固定概念はなく、広範囲に点在するグループホームで自立的な生活を送り、三愛学舎のお祭りのように外部との交流も密接に行っていた。障害を持つ人とは敬遠になりがちなのは仕方がないと思っていたが、仕事やお祭りに取り組んでいる人たちを見て、自分は、今まで無意識に壁を作っていたのだなと痛感させられた。 今回の訪問で、自分の知識がいかに遅れているかを思い知らされたと同時に、社会と溝を作ることなく、密接な関わりを持つことは、価値観や就労支援が改善されてきた現代でも難しいことだと思った。だからこそ、カナンの園は理想郷であり、福祉に関わる私たちが目指すべき形なのではないかと考えさせられた。

研修を通して     19W020 佐藤大智
 カナンの園の雰囲気の良さは、以前からゼミの活動でも聞いていたが、2日間の研修を通すとまた違った良い印象を受けました。
 近年は、インクルージョンの考え方が、日本においても至る所で広がりを見せているが、カナンの園では、さらに広い意味でこれを実現しています。従来の福祉施設は「施設」として存在し、言ってしまえば町から隔離されたような状態にあるところもあったが、カナンの園はグループホームや作業場が町中に点在し、地域に溶け込み、利用者さんも職員さんも地域の住民として自分らしい生活を営み、障害の有無に関わらず地域の子供達や保護者の子育て不安の相談のために開かれるなど共生を実現しています。生活介護事業所シャロームでは、学童が隣接しているという利点を生かし学童に通う小学生と日頃から交流を行うなど共生を実現しています。
 「同じ人間として、相手の内面を見て向き合う。
 このように雰囲気の良い共生の場を実現できる理由は、地域性や施設の理念がしっかりしている事はもちろんですが、職員さんが理念実現のための努力を続けていることが一番にあるからだと感じます。現在は交流に当たってお互いの利用者のことを「向こうの人」と読んでいるそうですが、今後はお互いを名前で呼び合う関係にしたいとある職員さんがお話して下さいました。 2日間の研修を通して、常に相手のよりよい幸せを考え工夫することができる福祉従事者になりたいという夢が明確になりました。

石田ゼミ~カナンの園研修旅行~     19W021 佐藤未夢
 限られた時間の中で、本当にたくさんのものを手に入れた2日間だった。障がいを持つ方々とそうでない方々が、当たり前のように共生する社会。そんなものは理想論でしかないと思っていた私にとって、目に入るもの全てが刺激的で、希望そのものだったと言える。 私が特に感心したのは、たくさんの細やかなサポートだ。まず、施設内の扉はほとんどが引き戸。スロープも至る所にあって、段差や角張ったところはあまりなかったように思う。子供用の遊び場や、大人用の運動器具、お風呂場、その他様々な部分で完璧なまでの設備が用意されていた。そして何より、利用者がほとんど一人で生活出来ているかのような最低限の支援が為されていた。私たちが訪問しても、一人も取り乱すことなく作業されていたことからも、普段から施設内外の方と交流されているように思う。また、突然駆けだした利用者をすぐに追うわけではなく、あくまで目を離さずに優しく近づいていく職員の様子からは、家族のような暖かさすら感じられた。このように、カナンの園には、利用者の心身の健康にまで目を向けた、充実した環境と職員のサポートがあった。
 「同じ人間として、相手の内面を見て向き合う。」
 後に訪問した『となんカナン・カフェおーでんせ』の方が話してくれた言葉である。障がいの有無を意識しているのは、私のような知識に疎い者だけ。そう言われているかのような気持ちがした。障がいがあろうと無かろうと私たちたちは同じ人間。当たり前のようで実は一番大切な概念であると感じた。今回の経験を忘れずに、また機会があれば個人的に訪問してみたいと強く思う。

研修を通して     19W027 田中雛子
 印象に残っているのは奥中山学園とシャロームです。 まず、奥中山学園について。グループホーム及び介護又は支援施設について、私は施設特有の堅苦しさがあってしかたがないものなのだと思っていました。しかしそこは想像以上にアットホームな雰囲気でした。公共キッズルームも見学させていただいたのですが、そこは障害の有る無しに関わらず訪れてよい場所であることを聞きました。加えて、カナンの園はグループホームを広く点在させることで、利用者に「自分の暮らし」をしてもらい、又「自分は地域の住民だ」という意識を芽生えさせるとも聞きました。それらの話から、自立を促しつつ、地域の人々との交流も大切にしているところなのだと、施設に閉鎖的なイメージを持った私は感銘を受けました。
 次にシャロームについて。ここは生活介護事業所ですが、利用者の方々にせんべいを作る作業をしてもらい、お給料も渡すという一見就労支援のような活動をしています。しかしここの役割は仕事をしてもらう場というよりは集まる場所というのが大きいと聞いてとても驚きました。学堂の子どもたちとの交流もあるようで、やはり人との関わり合いを大事にしているのだと思いました。
 カナンの園は「地域と共にある組織」という印象が強かったです。しかし地域とこれほど近いものであれるのは、やはり事業全体でインクルージョンやノーマライゼーションの考えが理解され、実行されていなければできないことだと私は考えます。「地域と共にある福祉事業」カナンの園は日本が目指すべき福祉事業のかたちだと言えるでしょう。私たちはここでの経験を忘れず心に留め、広く伝えるべきだと考えます。

カナンの園研修旅行を終えて     19W033 原田祐貴
 9月20日~21日の研修旅行を通して、私の中の「福祉施設」というものに対する印象が大きく変化した。この研修旅行を体験する前まで私は、「福祉施設」とは高齢者や障害者といった人たちが地域のある場所に集まり、その中で決められた活動をして1日1日を過ごしていくという閉鎖的な施設であるという印象を持っていた。しかし、カナンの園は私自身が持っていたイメージとは全く違った様子の福祉施設であった。
 カナンの園に行って驚いたのは、利用者一人一人が、地域の一人として溶け込んでいるということである。さらに、福祉施設がある特定の場所に存在するのではなく、地域に点在していたという点も利用者一人一人が地域の一員として生活を送ることができている要因のひとつであろうと私は感じた。また、この2日間で利用者が働いている場所を多数見学した。
 そこでは、多くの人がイメージするような福祉施設で行われているような「決まった活動」を全員が同じように行っているのではなく、障害の特性や一人一人の能力に合わせた仕事をしたり、時には分担で仕事をしたりと、「個人」に目を向けた活動をしており、利用者一人一人が生き生きと活動していると私は感じた。それぞれの仕事場には違った特色がありそれらを感じ取りながら見学することができた。
 今回のカナンの園の研修旅行で学んだことは、一人一人に目を向けると同時に利用者一人一人が地域の一員として活躍(地域に溶け込む)できるように地域全体で支え合っていくことが今後の社会福祉施設に求められているのだということである。よく近年では、「共生社会の実現」が求められているが、ここでいう共生社会とは、健常者と障害者という分断された枠を一つにすることではないかと私は考える。しかし、 それはとても難しいことだと私は考えている。私は、今回の研修旅行を通じて、「共生社会の実現」とは、枠を統合化することではなく、そういった枠というものを取り払って、「個人」という観点から人を見るようにするとともに、障害がある人もない人も、積極的に(自分らしさを出していきながら)地域の一員として過ごせるような環境をともに作っていくことではないかと感じた。
 今回学んだ多くのことを忘れずに、普段の生活だけではなく、社会福祉実習や教育実習といった一人一人の人と向き合っていく際にも意識して生かしていきたいと思っている。

カナンの園に行って     19W034 真壁晃河
 今回、私たち石田ゼミは、岩手県二戸郡一戸町にあるカナンの園に一泊二日の研修旅行に行った。カナンの園では、知的障害を主因とした支援を必要とする人たちの暮らしをサポートしながら、一人一人の自己決定を尊重し、支援が必要な人たちが豊かな生活を送れるように地域と連携している。
 私は今回初めてカナンの園に訪れて、とても印象に残ったことがある。それは、様々な施設で感じた雰囲気だった。特にその雰囲気を感じたのは、生活介護事業シャローム事業所だった。シャローム事業所では、ただ生活介護をするのではなく、作業環境も整えている。作業内容は、せんべいを作り、作ったせんべいを包装するなどである。現在知的障害の方が25人利用している。 当初のイメージでは、利用者がせんべいを作るといっても、少し手伝うくらいの作業だと思った。しかし実際は、利用者がほぼ主体となっており、本格的にせんべいを作っていた。せんべいを焼く人や、調理用具を洗う人、焼いたせんべいを包装する人など、一人一人に役割があり、意欲的に働いているように見えた。中には調理用具を洗う事に長けた人もいた。働いている姿を見れば知的障害をもっている人には見えないほどだった。 また、学童クラブと隣接しているため、子供たちと自然に触れ合う環境になっていた。障害をもった人たちでも地域にとけこめる雰囲気を感じて、完成されていると感じた。
 グループホームが各所に点在していることからも分かるように、地域との連携が図れていることによって、支援が必要な人たちが住みやすい場所になっていることが分かった。このしくみをほかの地域でも実施できればと思った。

カナンの園での見学を通して     19W035 松橋歩未
 私が今回最も印象に残ったのは、小さな工夫で出来なかったこともできるようになるということだ。
 まず、小さき群の里ではバリアフリーはもちろんのこと車椅子同士でもすれ違えるような広い廊下も備えられており生活しやすい空間が整っていた。見学させていただいたお風呂場は大浴場、個浴、機械浴と分けられており、利用者の能力に合わせた方法で入浴出来るようになっていた。また、停電時の対策もされており電気はガスで代用し一時的な避難所にもなるとおっしゃっていた。私はここで暗所恐怖症によるパニックも抑えられるのではないかと思った。
 そして、カナン祭のときには車椅子の方専用の駐車場があった。こういった場所があると移動手段に関係なく誰もが祭りに参加することができる。また、ステージ発表での演奏の際には色を用いて指揮を執るという工夫がされていた。
 シャローム事務所では、仲間と働き、達成感ややりがいを感じるということを目的としており、この実現のために一人ひとりの性格や個性に合わせた仕事をしていた。
 カナンでは、パソコンはできなくてもスマホは完璧にできるという話がされ、その応用なのかレジはパソコンで行われていました。
 私が今回の体験を通してカナンの園では一人ひとりの良いところを生かし、伸ばし豊かな生活を送っていると感じた。その実現のために、小さな工夫がされておりこの工夫は私たちの生活にも役立つものだと思った。車椅子専用の駐車場がわかりやすい例だ。こういった工夫がされたカナンの園では皆が楽しそうで`障害者’はいないように感じた。

カナンの園への研修旅行を終えて     19W039 吉田快斗
 今回、研修旅行でカナンの園に行ったわけだが、やはり実際に目で見ると違うもので、今までに学ぶことのできなかったものを学ぶことのできた「良い経験」となった。
 カナンの園は他の施設とは違い、多くのグループホームがバラバラに点在している形であり、開放的な、展開された世界をもつ施設だった。施設の利用者さんを施設の利用者としてだけ扱うのではなく、町の構成員として扱う、というスタイルは自分にはかなり衝撃的なものであった。そんなカナンの園の施設で特に印象的なのは、障害者の方々が実際に働いているところをみる事ができた「生活介護事業所 シャローム」等の就労支援を行う施設だ。勝手なイメージではあったのだが、就労継続支援の仕事というと、どこか少し窮屈なものだと思っていたのだが、実際のところはかなり自由なものであった。職場では皆さん楽しそうに、そしてのびのび働いていた。その様子は自分の中でかなり衝撃的なものであり、印象に強く残った。
 そんな中、仕事をされていた方の中で、障害が重度で難しい仕事はできないが、洗い物は誰よりもできる方がおり、その方がいなければ仕事が回らないと聞いた。その時、障害の程度はどうであれ、その人が活躍できる舞台は必ずあるのだという事実を改めて知ることができたのである。そして、今回新たに知ったこと、新ためて学ぶことのできたことを忘れず、先入観にとらわれない姿勢で、今後に活かしていきたいと思った。

 

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※次号のゼミが、決まり次第バトンを渡します。


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