HOME  > 大学について > 学長からの挨拶 > 入学式 式辞 > 2021(令和3)年度 入学式式辞

2021(令和3)年度 入学式式辞

          2021(令和3)年4月3日(土曜日)午前10時より

                                     学長 藁科 勝之

 雪解けが進み、待ち遠しかった桜の開花を目の前にして、弘前学院大学に、新たに若い皆さんをお迎えできたことを、大変嬉しく思います。
皆さん、御入学、おめでとうございます。
本年度の入学生は、以下のとおりであります。
・文学部82名、うち、英語英米文学科33名、日本語日本文学科49名、
 社会福祉学部41名。看護学部53名。
・大学院文学研究科1名
総計、177名の皆さんをお迎えすることができました。
 しかし、新型コロナの感染が、未だ沈静化しているとは言えない状況にあることを考慮し、1年前の入学式と同様、新型コロナの感染拡大を極力排除するために、3密を避け、保護者の皆様、来賓の方々のご参列を見送らざるを得ませんでした。 そこで、このように、皆さんと教職員のみの入学式となりました。
 しかし、このコロナ渦でも、この1年間、学生教育、授業関係においては、感染拡大を回避するために、オンライン、オンデマンドも併用しながらも、対面式形態の授業を主体に進めて参りました。 皆さんも、また保護者・関係者の方々も、ご心配になっていらっしゃると思いますが、本学の授業・教育態勢は、今後も変わらず慎重に、かつ着実に進めて参りますので、どうかご安心ください。

 最初に、弘前学院大学のプロフィルを紹介したいと思います。
 日本の私立大学は、それぞれ建学の理念・建学の精神を持っております。
弘前学院は、本多庸一(津軽藩藩校の稽古館の司監―取締役)によって1886(明治19)年に設立され、キリスト教の精神を基に「畏神愛人」を信条とされました。この「畏神愛人」が弘前学院の建学の精神となっております。弘前学院は本多先生によって、その母体が創設されて、今年で135年になります。
その後、学校組織としての充実・発展を遂げて、大学を設置したのが、1950(昭和25)年で、その時は「弘前聖愛短期大学」という名称でした。本学は、当初短期大学として設置されましたが、それから数えて今年は71年になります。
では、弘前学院大学の教育とはどのような特色を持っているのでしょうか。
弘前学院大学の教育理念と教育方針について、弘前学院は、「キリスト教信仰にもとづく教育をめざし、神の前に真実に生き、真理を謙虚に追求し、つつしんで神の御言葉を聞き、すべての人を大切にする畏神愛人の精神をもって、すべての人と社会とに対する責任を、積極的に果たす人間の形成」を目的としています。
 そして、こうした認識に基づいて、自ら問題を発見し解決する知恵と力をもつ人材を育成する、と定め、本学のすべての学生、教員、職員は、相互の人格を尊重し、建学以来の伝統を重んじつつ、おのおのの立場において時代の要請に応えうる大学の形成に努める、としています。
 大学は、その大学1つだけで完結するものではなく、地域社会、他の大学や、組織・機関との連携協力による、より一層の充実を指向することを求められております。 国際化・グローバル化の面では、本学は、留学、海外研修にも力を入れております。アメリカの4大学、韓国の3大学、中国の2施設との姉妹校提携が結ばれており、国際的感覚を身に付けるための留学、語学研修等の機会を得ることができます。
 また、地域の他大学および姉妹校大学との交流についてですが、 この弘前は、学都すなわち学園都市と呼ばれます。ここには、弘前市内の6大学で結成された連携組織があり、これをコンソーシアムと言います。現在、日本各都市にコンソーシアムが存在しておりますが、この学園都市弘前には、「大学コンソーシアム学都ひろさき」という大学間連携組織があります。
このコンソーシアムでは、市からの補助金も得て、学生による地域活動支援事業を実施しておりますので、皆さんも是非ご参加下さい。また、コンソーシアムの各大学間で講義の単位互換も行っております。
 さらに、この弘前学院をつくった本多庸一が、東京にもつくった大学があります。 それが青山学院大学なのですが、その青山学院大学と本学との連携協定を、一昨年の2019(令和元)年に締結したので、今年は3年目になります。これから青山学院との連携事業を計画して参ります。

 さて、大学の勉強、“学び”とは、どういうものなのでしょうか。 皆さんは、これまで小・中・高と勉強してきましたが、これまでの勉強は、私もそうでしたが、問題や課題が出された時、ほとんど必ず「正解」とされるものが予めあって、私たち生徒は、それを探し出す、見つけ出す、ということをやって来ました。
小学校・中学校・高校を通じて、課題、問題など、おおむね、どちらかと言えば、正解がある、正しい到達点というものが存在していて、しかしそれが隠されているから、それを探し当てる、というようなやり方がほとんどだったわけです。
 しかし、現実の世界に生まれている問題には、予め解決への唯一の正解があるわけではありません。むしろ「無い」と言うべきなのです。ではどうするのか。その状況に対して最良の適切な解決策、つまり適解を作り出さなければならない。「現状では、これが一番良いやり方だ」というものを創り出す。適解の創出です。
そのために必要なのが、知識、技能ですが、加うるに「分析力」です。そして、適解を生み出す「企画力」。またそして、これを周りに説明し、納得してもらう、「説明力」。かつ、周りとともに考え、行動することを働きかける「コミュニケーション力」。

 大学での学びとは、このように、未来を造っていく力を養うことにあります。こうしたことを通じて、大学での「学び」は自分の可能性を開いてくれます。
私たちは、皆さんの「学び」に期待しております。
 これを、皆さんの歓迎とお祝いのことばといたします。

 

大学について
大学について
生涯学習を支援します。 各制度をご利用ください。