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社会福祉学部専任教員の研究紹介 その6 小川 幸裕 先生

~独立型社会福祉士のソーシャルワーク実践に関する環境整備~  

 社会福祉学部専任教員の研究紹介シリーズとして、第6弾は学部長インタビューでお届けします。
                             報告者 社会福祉学部長 石田 和男

石田: 社会福祉士の資格を生かす魅力的な職場の一つに独立型社会福祉士の活動があります。小川先生といえば社会福祉士会の 全国規模の研修会講師を務めるなど「独立型社会福祉士の活動の第1人者」というイメージがありますが、実際にどんな内容の研究をされていますか。

小川:独立型社会福祉士に関する研究を最初に体系的にまとめられたのは東京学芸大学の髙良麻子先生ですので「第1人者」ではありませんが、 2006年からコツコツと独立型社会福祉士として活動する社会福祉士を対象に研究を続けてきました。独立型社会福祉士におけるソーシャルワーク実践に関する環境整備をテーマに、 これまでインタビューをさせて頂いた独立型社会福祉士は約100名で、アンケート調査も2012年と2014年の2回行っております。

石田:私も小川先生他、共著で書かれている『独立型社会福祉士―排除された人びとへの支援を目指して』を読みました。成年後見のお手伝いをしているイメージが強かったのですが、他にも多様な活動領域があるようですね。

小川: 日本社会福祉士会では、独立型社会福祉士を「地域を基盤として独立した立場でソーシャルワークを実践する者」と定義しています。具体的には、高齢者福祉施設や障害者福祉施設などの既存の組織や機関から独立し、 自ら個人事務所や法人を立ち上げ、自由度の高い活動環境でソーシャルワーク実践を行う社会福祉士のことをいいます。独立型社会福祉士名簿の登録者は444名(2018年9月時点)で増加傾向にあり、独立型社会福祉士の活動は多岐にわたります。 相談援助を軸に置き、地域の特性や課題に応じて成年後見活動、講師、スクールソーシャルワーク、各種委員、制度政策の提言、資源やサービスの創出等を行っています。

石田: 詳しいお話を聞くことができました。ところで、先生は日本学術振興会の科研費助成を得て「独立型社会福祉士のソーシャルワーク実践」について研究を進められているわけですが、主な研究成果についてお聞かせ頂けますか。

小川: 2008年から継続的に科研費助成を獲得し研究を続けてきました。主な研究成果としては、アンケート調査で独立型社会福祉士の実態把握を行い、インタビュー調査からソーシャルワーク実践、ソーシャルアクション、 成年後見活動の具体的な内容を関係図として見える化しました。

石田:前述の研究成果を生かし、独立型社会福祉士活動の普及啓発にどのようにどのような貢献をされてますか。

小川:研究成果を実践現場に還元することを大切にしています。これまで独立型社会福祉士を養成する研修会の講師をはじめ、独立型社会福祉士実践研究集会でのコーディネーター、Eラーニングの講師などを務めております。

石田:最後に小川先生の最近の研究業績について紹介頂けますか。

小川:独立型社会福祉士に関する研究業績は以下のとおりです。
小川幸裕(2018)「成年後見活動における独立型社会福祉士のソーシャルワーク実践」『北星学園大学大学院論集』9,1-17
小川幸裕(2018)「成年後見制度における社会福祉士に期待される役割-「成年後見関係事件の概況」の分析を中心に-」『弘前学院大学社会福祉学部研究紀要』18,1-16
小川幸裕(2018)『成年後見制度での地域連携ネットワークにおける独立型社会福祉士の役割』『北海道地域福祉研究』21,21-37
-コーディネートの担い手としての社会福祉士の位置づけ-
小川幸裕(2017)「独立型社会福祉士におけるソーシャル・アクションの実践環境の検討」『弘前学院大学社会福祉学部研究紀要』17,1-20
小川幸裕(2016)「独立型社会福祉士の社会変革に関する活動評価にみる活動領域の概念化-法人形態での活動に着目して-」『北海道地域福祉研究』19,116-126
小川幸裕(2016)「独立型社会福祉士の活動評価にみる活動領域の概念化の検討:個人事務所における社会変革に関する活動に着目して」『弘前学院大学社会福祉学部研究紀要』16,13-20

石田:引き続き頑張ってください。

小川:ありがとうございました。

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