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2024(令和6)年度 入学式式辞

          2024(令和6)年4月3日(水曜日)午前10時より

                                     学長 藁科 勝之

 今年の雪は、昨年の大雪から一転して少雪になり、雪解けも早く、桜も開花が迫る季節、弘前学院大学に、新たに若い皆さんをお迎えできたことを、大変嬉しく思います。

 皆さん、御入学、おめでとうございます。
本年度の入学手続者は、以下のとおりであります。
・文学部72名、うち、英語・英米文学科33名、日本語・日本文学科39名。
 社会福祉学部・社会福祉学科44名。看護学部・看護学科30名。
・大学院―文学研究科1名
総計、147名の皆さんをお迎えすることができました。

 新型コロナ禍は、もうこれで5年目になりますが、ようやく沈静化している気配が見えます。とはいうものの、未だ罹患者が出ている状況から、万が一の用心として、感染を極力排除するために、残念ながら来賓の方々のご参列を見送ることと致し、保護者・同伴者の皆様や入学の皆さんと教職員のみの入学式となりました。

 さて皆さんは、この3年間の高校生活は、コロナ感染の中で、必ずしも自由とは言えない生活環境、勉学状況であり、なかなか思うに委せず、もどかしい状況だったと思います。しかし、それを乗り越えて今日のこの日を迎えました。

 青森県には、短期大学を含めて15の大学があって、北東北三県の中でも一番多いのですが、その青森県の中で、最も古い歴史と伝統を誇るのがこの弘前学院です。
 弘前学院は、本多庸一(津軽藩藩校の稽古館の取締役)によって明治19年に設立され、キリスト教の精神を基に「畏神愛人」を弘前学院の建学の精神としました。弘前学院は、その母体が創設されて、今年で138年になります。
 弘前学院大学の教育理念と教育方針は、「キリスト教信仰にもとづく教育をめざし、神の前に真実に生き、真理を謙虚に追求し、つつしんで神の御言葉を聞き、すべての人を大切にする畏神愛人の精神をもって、すべての人と社会とに対する責任を、積極的に果たす人間の形成」ということを目的としています。これがスクール・モットーです。
 そして、こうした認識に基づいて、「自ら問題を発見し解決する知恵と力をもつ人材を育成する」としています。

 さて、これから大学生活が始まるわけですが、若い皆さんには、自分の置かれた環境を享受してみることを進めたいと思います。
 理由の如何を問わず、自分が身を置くことになった環境は、それなりに自分の生き方が反映した結果として現れたものなのであります。

 では大学での学びとは、どういうものなのか?
 大学での4年間の学修―これを、学士課程と言います。ここで「学士」という言葉が使われます。学士とは、学位の1つで、その学位には、学士、修士、博士という3種類がありますが、その中の最初の大学4年間の学修で得るものが「学士」という学位です。そして、その勉学の中で養われる力を「学士力」と言います。

 ではこの「学士力」とはどんな力か?おおむね4つ、挙げられております。
 1つ目は「知識・理解」の力です。これはすぐ分かりますね。これは最も基本的なもので、知識・理解力がないと何もできません。これが基盤です。無から有は生じないのです。
 2つ目は「汎用的技能」と言われる能力で、この「汎用的」とはどういうものかと言いますと、ある特定の範囲とか分野に使えるというものではなくて、種々、様々な分野や領域にも通じて使える技とか能力・スキルのことを言います。
 具体的に、どういうものかと言いますと、コミュニケーションスキル、数量的スキル、情報リテラシー、論理的思考力、問題解決能力、などですが、これらは、職業生活や、社会生活でも必要とされる技能・スキルですね。
 そして、3つ目は「態度・志向性」と言われますが、具体的には、自己管理、チームワーク、リーダーシップ、倫理観、社会的責任、生涯学習力、といった力を身に付けること。
 そして、4つ目が、総合的な学習経験と創造的思考力と言われるもので、これらの3つを統合して、何物かを創り上げて行く力です。

 ところで、今、取りあげた、コミュニケーションスキル、チームワーク、倫理観、社会的責任などについて、これらは大学の授業、大学内での諸々の活動で身に付けることはできますが、その一方で、ボランティアに参加した、地域のお祭りに参加したとか、部活をやった、そのマネジメントをやった、アルバイトをやった、など、大学の授業以外での活動でも、こうした力を培うにあたっては、かなり有効ですね。
 また、この弘前は、学園都市すなわち「学都ひろさき」と呼ばれ、ここには、市内の5大学で結成された「大学コンソーシアム学都ひろさき」と言う組織があり、相互に連携していますが、その組織の活動へ参加してみるのも有益で、効果的です。

 まず、皆さんにおすすめの言葉があります。それは「なじむ」です。
 「なじむ」とは、平安時代からある古い言葉なのですが、この語源は、「馴れる」+「沁みる」で、馴れ・沁むで、ナジムとなりました。
 漢字熟語で言えば「適応する」です。適応とは、随分固い印象を与える言葉ですが、「なじむ」の方は、適応よりも、柔軟で「しなやか」なニュアンスがありますね。そこで、ヒロガクのキャンパスライフになじみましょう。「なじむ」ことによって、自由さを感じられ、また自分の力がより発揮できるし、そこに自分を肯定できる価値が見いだされるでしょう。

 皆さん、大学生活を始めるにあたって、4年後の自分の姿というものを、イメージしてください。4年後にどうなっていたいか?ということです。
 漠然とでもかまいません。自分が何を目指したいのか、これを意識してみてください。
 そのイメージした姿の実現を目指して、これからのキャンパスライフを始めましょう。

 私たちは、皆さんの「学び」に期待しております。
 これを、皆さんの歓迎とお祝いのことばといたします。
 あらためて、御入学、おめでとうございます。

 

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